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2010年7月 1日 (木)

パラグアイのバルテスさんが泣きじゃくる駒野選手に声をかけた件

わが日本代表は健闘及ばず決勝トーナメント1回戦で敗退となったわけですが、PK戦で1人外した駒野選手に試合後パラグアイのバルテス選手が声をかけた件について、ツイッターなどネットで称賛の嵐となっています。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/soccer/409930/
松井(左)と駒野(中央)に駆け寄って声をかけるパラグアイのアエドバルデス(AP)

かようにスポーツに付随して様々なストーリーを読みこんで楽しむのもまたスポーツの魅力の1つです。たとえば今回も、長谷部選手の試合後のインタビューが称賛されています。

「みなさんの応援が力になり、感謝してます。次は、ほとんどの選手がJリーグでプレーしてるんで、足を運んで盛り上げてもらいたい」
http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/ndetail/20100630-00000008-ykf-spo

これは私も感心しました。かつてジョホールバルで中田英俊が吐いた名セリフ「代表も何とか盛り上がったんで、Jリーグもよろしくお願いします」を思い出します。当時はこんなこと言えるアスリートが日本にいたのかと驚愕しましたが、今回の長谷部選手、体育会系運動馬鹿ばかりだった日本のスポーツ界で、一定の社会性やホスピタリティが少しずつ浸透してきているようで、ベスト16という結果以上に誇らしく感じた次第です。

ただ、駒野選手の件については、私自身の感覚とネットの(そしておそらくネットに限らず)世論がマ逆で面白いと思いました。

私自身は、日本の敗退が決まった瞬間からアナウンサー(TBS)が「決して駒野のせいではありません!」と繰り返すのを苦々しく聞いていたからです。だって「駒野のせい」に決まってるしw

もちろん敗戦の全ての責任が彼にあるわけではありませんが、彼はプロアスリートですから結果に責任を負うのは自明なわけで、「お前のせいじゃない」というのは彼と彼の負った責任に対する侮辱以外の何物でもない、と私は感じたのです。
高校野球じゃないんだからさ。

負ければ非難され、罵倒される、そのリスクを負うからこそのプロであり、報酬であるはずです。勝てば称賛され、負けても慰められるのでは立場がない。

#もちろん、謝罪する必要もありません。プロには解雇や減俸といった形で結果責任が自動的に付随するからです。ここらへんが「謝って許される」アマチュアとは違う所以です。

そこへ、バルテスさんです。

「てめえ、近寄るんじゃねぇ」とこれまた苦々しく見ていたわけですが、なぜかツイッターでは称賛の嵐。自分の性格が嫌になりましたorz

でも、勝者に慰められて喜ぶ敗者がいるでしょうか?

いや、バルテスさんの行為は間違いなく素晴らしい。これまたあのジョホールバルの歓喜の中、ひとりイランチームの監督と握手を交わしていたという中田英寿を思い出します。

ジョカトーレ―中田英寿新世紀へ 小松 成美 (著)
http://www.amazon.co.jp/ジョカトーレ―中田英寿新世紀へ-文春文庫-小松-成美/dp/4167656515/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1277908299&sr=8-2

社交とは儀礼であり、スポーツの興奮、熱狂と絶望のなかにいてなお形式としてそれをなすことが重要であり、その内容に意味はありません。勝者は勝利の歓喜を、敗者は敗北の屈辱を押し殺しつつ、平静の関係を取り戻すべく握手を交わす。アングロサクソン的近代スポーツの儀礼ですが、おそらくもはやグローバルスタンダードです。

#そういう意味では、中田氏に握手を求めたというイランチームの監督もたいしたものです。

とはいえやはり、敗者の内心は敗北と屈辱でぼろぼろなわけで、勝者として敗者への態度にはそれなりの配慮が求められる。そういう意味で、特に敗北を決定づけるミスを犯し、打ちひしがれているところに声をかけるのは、私には儀礼の押しつけにみえて「やり過ぎ」にみえてしまったわけです。

#実際に駒野選手がどう感じたかはわかりませんが、(逆ギレされる)リスクを取った、ともいえます。だからバルテスさんは社交儀礼的には素晴らしいのです。

ただ、正確な出典が不明なのですが、ツイッターによればバルテスさんは駒野選手に「お前が外したボールはおれがスペインゴールにぶちこんでやる」と言ったそうです。
なんておしゃれな!

あの瞬間にこんなおしゃれなことが言えるとは、バルテスさん恐るべし。

もちろん駒野選手からみればうっとうしいとしか言いようがなかったのではと察するのですが、まあそこはアングロサクソン的に「シャビの○○○○にもな!」とにやりと笑い返せればよかったのに、などと想像してしまい、またしても自分の性格に嫌気がさしているところですorz

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